フロント業務
施設内情報表示システムで深化するおもてなし。多言語対応を実現
青山やまと
静岡県伊東市
インタビュー
- 課題
- 紙冊子の情報更新に、全室分の膨大な作業時間と
人的コストが割かれていた
- 改善
- デジタル化で更新作業が半減。
多言語対応も実現し、お客さまへの接客品質が向上
- 導入ソリューション
- 施設内情報表示システム
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実施年度
2025年度
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施設名
青山やまと
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エリア
静岡県伊東市岡203
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施設概要
1996年創業、客室:42室
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URL
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抱えていた課題について教えてください
伊東市の宿泊施設である当館は、長年にわたりお客さまに親しまれてきました。この地域では、数年前まで箱根や熱海に比べて外国人観光客が少ない傾向にありましたが、ここ半年から1年の間で大幅に増加しています。
当館では以前から、お客様へのおもてなしを最優先に考え、食事提供時の対応に関するスタッフ教育や、料理の細かな説明にも力を入れております。しかし、おもてなしの質を維持するために現場業務が増える一方で、人手不足も重なり、情報案内など間接業務の負担が課題となっていました。

当館「青山(せいざん)やまと」は、長年にわたりお客さまに親しまれてきました。長年培ってきたおもてなしの心を大切にされています。
具体的にはどのような悩みがありましたか
館内利用時間やイベント情報、周辺観光案内を紙冊子(インフォメーションブック)で提供していましたが、内容が変わるたびに全客室での差し替え作業が必要で、かなりの人的手間がかかっていました。
また、当時は多言語表記をしていなかったこともあり、海外のお客さまは外国人スタッフに対応を任せていましたが、外国人観光客が増える中で、情報の提供やマナーに関する説明が追いつかないというリスクも抱えていました。特に、送迎バスの時刻表については確認や質問が増加し、余裕のない体制での対応を行っていました。

館内情報を網羅した従来の紙冊子。多言語に対応しておらず、海外のお客さまへの説明に苦労されていたようです。
今回の補助事業を知ったきっかけと、申請の経緯を教えてください
補助事業を知ったきっかけは、以前からお世話になっているベンダー(サービス提供者)からの紹介でした。常に改善を考えており、補助事業の情報収集をしていた折、これが業務のデジタル化による省人化・効率化の大きなきっかけになると感じ、申請に至りました。
どのようなソリューションを導入されたのでしょうか
今回導入したソリューションは、各客室のテレビを情報発信端末として活用する施設内情報表示システムです。
客室のテレビの電源を入れると画面にQRコードが表示され、スマートフォンで読み取ることで館内情報や周辺観光案内を確認できる仕組みです。
このシステムを選んだ決め手は、客室のテレビを活用することで、従来の紙冊子の更新作業を根本的に解消できる点でした。これにより、以前から懸案事項だった多言語対応が可能となり、外国語に不慣れなスタッフでも、画面表示を用いてご案内できるようになり、送迎バスの時刻表についての問い合わせや海外のお客さま対応への負担軽減も実現できました。
申請にあたって苦労した点はありますか
補助金の申請にあたっては、資料の準備量が多く、当初は負担感がありましたが、経理担当など各部署との連携で乗り越えました。
一方で、実際に申請プロセスを進めると、ベンダー側が補助金申請に必要な書類作成や手順について緻密にサポートしてくれたため、想像していたよりもスムーズに進めることができました。
その中で重要だったのは、計画段階でのベンダーとの緻密な打ち合わせです。単に既存のパッケージシステムを導入するのではなく、当館の具体的な運用に合わせて細かくカスタマイズが必要になり、どこまで運用面の詳細を詰めることができるかが、導入後の事業効率に大きく影響します。
現場の負担はどのように変わりましたか
システム導入後、最も大きな効果として、紙冊子の入れ替え作業が不要となり、更新作業にかかる工数は大幅に削減されました。部屋数が多ければ多いほど、この削減効果は大きくなります。
今回、施設内情報表示システムを導入したことで、情報更新の手間は一箇所を変えるだけで全てに反映されるようになりました。

全室のテレビが案内役に。情報更新がラクになっただけでなく、お客さまも必要な情報を見つけやすくなり、現場の負担がぐっと減ったそうです。
削減された時間はどのように活用されていますか
現在は、この削減された時間を、当館が最も大切にしている「おもてなし」に充てられるようになりました。お客さまからの評判も良好で、「案内が分かりやすくなった」という声が増えてきていることを実感しています。
最後に、補助金活用を振り返っていかがでしたか
補助金が出ることで設備投資の負担が軽減され、導入に踏み切れたことで、スタッフの負担軽減とお客さまの満足度向上という効果を十分に得られたと感じています。この成功体験を弾みに、お客さまへのおもてなしを深化させるための継続的な改善と、現場の働きやすさを両立させる環境づくりに尽力していきたいです。
今後は、採用難に対応していくため、さらなる省人化を進めていきたいと考えており、窓拭きを行ってくれる清掃ロボットの検討も進めています。
システムは導入して終わりではなく、使いこなせなければ意味がありません。今後もベンダーとの連携を密にし情報を仕入れながら、現場のオペレーションに合うかどうか慎重に検討し、システム導入を推進していく予定です。
