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クラウド型・労務管理システムの導入により、人事課の負担が約半分に大幅軽減

ホテルニューオータニ博多

福岡県福岡市

インタビュー

課題
300名を超える年末調整業務が人事課を圧迫。
毎年、12月は時間外業務が発生していた
改善
デジタル化によって、申請と確認が効率化。
少人数体制でも通常業務時間内に収まるように
導入ソリューション
労務管理システム

福岡市営地下鉄「渡辺通」駅から徒歩1分。1978年に開業し、アジアの玄関口・福岡の発展と共に歩んできたホテルです。

本事業を、どのようなきっかけで知りましたか

本事業を知ったのは約3年前のことです。観光庁さんから初年度に公示された際に、福岡での説明会に参加したのがきっかけでした。説明会の会場が、たまたまニューオータニ博多のすぐ近くのビルだったこともあり、足を運びやすかったのを覚えています。

その際、どのような印象を受けましたか

まず驚いたのは、補助率が2分の1で、補助上限額も大きかった点です。観光関連の補助事業が多くあることは知っていましたが、「国の補助事業」というと申請手続きが難しそうという印象がありました。

しかし説明会で話を聞くと、申請はWeb上で完結できることが分かって、印象が変わりました。加えて当館では、「高付加価値経営ガイドラインに基づく登録制度」や「心のバリアフリー認定制度」の登録証をすでに取得していたこともあり、申請のハードルは思っていたより低く感じました。

執行役員・業務部長の澤村さん。人事課の負担に危機感を感じられており、社全体で取り組まれるようになったそうです。

今回、どのようなソリューションを導入されましたか

人事課の効率化を実現するクラウド型の労務管理システムです。人事情報の一元管理と、年末調整業務の効率化を目的に導入しました。

ホテルニューオータニ博多は全国に展開するニューオータニグループの一員で、他拠点の担当者から省人化の効果を聞いていたことや、福岡近隣のホテルでも導入が進んでいたことが後押しになりました。

システム系のサービスは、導入して終わりではなく、運用しながら機能をアップデートしたり、自社の業務に合わせて使いこなしていくものだと思っています。その点、系列ホテル同士で活用事例や改善点を共有できることも、導入を決める上でポイントでした。

抱えていた課題について教えてください

大きく分けると、2つの課題がありました。ひとつは年末調整業務が大きな負担になっていたこと、もうひとつは在籍スタッフの情報管理が煩雑になっていたことです。

もともと人事課では、年末調整や社員の情報、給与関連の管理を、ほとんど紙とExcelで行っていました。それぞれが個別に管理されていたため、担当者ごとに管理方法が違い、「どれが最新なのか分からない」といった状況が発生していました。

過去には「システム化を進めよう」という話が出たこともありましたが、その直後にコロナ禍に突入してしまい、業務全体の優先順位が変わったことで、なかなか着手できずにいたのです。

その後、世の中の変化とともに便利なツールも増えてきたことから、社内で検討を進めました。紙書類が山積みになると、必要な資料を探す際にも支障が出てしまうため、キャビネットの整理も兼ねて、推進したいという思いもありました。

2つの課題で、それまでの負荷はどれくらいでしたか

まず「年末調整業務」については、社員・パート・アルバイトを含めて300人を超える書類を、すべて紙で対応していました。毎年、印刷した書類をホチキスでまとめて配布し、手書きで記入してもらったものを回収・確認するという流れです。

記入内容の文字が読みづらかったり、記載箇所が人によってまちまちだったりするため、1人分の確認に20~30分かかることも珍しくありませんでした。さらに、社外提出用に書類を取りまとめる作業もあり、人事課4名で対応するには大きな負担でした。年末調整は毎年11月頃から始まりますが、12月の給与計算や各種手続きと重なるため、繁忙期には夜遅くまで業務にあたることも多かったです。

もう一つの課題である「スタッフの情報管理」についても状況は同じでした。紙やExcelなど複数の場所に分散しており、どのデータが最新なのか分からない状態が続き、結果として業務の手間や確認作業を増やしていました。

省人化の効果はどの程度得られましたか

導入前の試算では、年末調整関連の業務だけでも約570時間の省力化が見込まれていましたが、実際の感覚としても「これまでの半分以上は確実に減った」と感じています。

特に大きかったのは、書類の確認作業や個別対応にかかる時間が大幅に減ったことです。1人あたりの質疑対応時間も、今まで1時間くらいはかかっていたのが、約15分に短縮されました。

また、進捗状況がシステム上で可視化されるため、どの手続きが未完了なのかが一目で分かり、人事課の複数人で対応する際も役割分担しやすくなりました。

使い方に戸惑われた方はいらっしゃいましたか

導入当初は、少し戸惑われる方もいらっしゃいましたが、使い始めてみると、皆さんスムーズに操作できていた印象です。ご年配のスタッフの中には、パスワード設定でつまずくケースもありましたが、個別に相談を受けながら対応することで、問題なく進めることができました。

登録会の実施などで業務時間やホテル内の施設を使わせていただく場面はありましたが、従来の紙ベースのやり取りを続けることを考えると、今後の工数も削減できると思います。少し前に勤怠管理の新システムを導入・運用していたこともあり、社内のDX化の流れにうまく乗れた点も良かったです。

スタッフの個人情報も最新データに一元化できたことで、社内の確認作業がスムーズになったそうです。

社内での周知はどのようにされましたか

全スタッフを対象に、「登録会」を実施しました。事前に一斉通達を行い、ホテル内の宴会場を数日間使用して開催しました。

ホテル運営は、フロントや客室清掃、バー、レストランなど業務内容が多岐にわたり、勤務形態もさまざまです。正社員だけでなく、パートやアルバイト、福岡市美術館内のレストラン勤務スタッフ、育児休暇中の方もいるため、業務に支障が出ない時間帯を選んで参加してもらいました。

当日は各自スマートフォンを持参してもらい、その場で操作方法を説明しながら登録を進めたことで、入力ミスや混乱を防ぐことができました。また、当日中に完了できなかった方についても、後日、個別対応できる体制を整えました。

経営層の理解と後押しのもと、人事課が一丸となって取り組んだ結果、すべての従業員の初期設定を無事に完了させることができました。

予想していなかった良かった点はありましたか

「人事課とスタッフとの距離」が近づいたことですね。登録会の実施やフォロー面談で一人ひとりと話す機会が生まれ、スタッフの個性や背景を知ることができました。私たちにとっても、とても良い機会になったと感じています。

ホテル業務は多くの方が働いていて、人事課の稼働は基本的に平日昼間が中心です。そのため、これまではタイミングが合わずに書類の手続きが滞ることもありましたが、システムを導入したことで、そのほかの申請もスムーズにやり取りできています。

最後に、事業実施を振り返っていかがでしたか

おかげさまで、繁忙期である12月も通常の勤務体制のまま対応することができ、現場としても助かりました。これまで手が回らなかった業務にも向き合う余裕も生まれています。

今回の事業を通して、限られた人員でも無理なく業務が回る仕組みを整えることが大切と実感しています。この経験は、今後の業務改善や人材戦略にも必ず活かしていけると思っています。

左から、人事課係長 髙橋さん、課長 㔟嶋さん、人事課の改善を推進した澤村さん。ホテルマンならではのホスピタリティがあるからこそ、丁寧に課題に向き合う姿勢が印象的でした。

お忙しい中、インタビューのご対応をありがとうございました

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