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ビジネス電話システムで実現する、お待たせしない接客
伊豆北川温泉 望水
静岡県賀茂郡
インタビュー
- 課題
- 内線依存による移動負担や、
不在時の電話の取りこぼしが発生していた
- 改善
- 電話システムの刷新で対応を最適化。
多機能連携により柔軟なスタッフ配置を実現
- 導入ソリューション
- ビジネス電話システム、インカム・無線通信機、監視カメラ
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実施年度
2025年度
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施設名
伊豆北川温泉 望水
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エリア
静岡県賀茂郡東伊豆町奈良本1126-6
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施設概要
1958年創業、客室:33室
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URL
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人材不足について、どのような懸念をお持ちでしたか
東伊豆町の北川温泉に位置する当館は、オーシャンビューと大島を望む立地を活かし、多くのお客さまにご利用いただいてきました。
当館では、新人教育や若手社員への福利厚生も手厚く、以前は新卒採用も順調でした。しかし、近年はこれまで地元や東京方面から採用できていた人材が、採用を強化する都心部のホテルやブライダル、航空業界などへ流れるようになりました。その結果、既存スタッフも他業界へ転職するケースが多発し、コロナ禍以降は人材不足が最も深刻な課題となりました。
こうした人材不足に対応し、サービスの質を維持していくために、設備投資による業務効率化が急務となっていました。

海に輝くムーンロードが望める「伊豆北川温泉 望水」。一面に広がる相模灘と大島を望む絶景が魅力です。
具体的に、どのような業務が非効率になっていたのでしょうか
当館では、以前からスタッフ間のスムーズな連携のために、インカムを導入したいという要望がありましたが、縦に長い施設構造でかつ階数があるため、アナログの電波では通じず、導入が難しい状況でした。そのため、内線電話でのコミュニケーションが中心となり、非効率な移動が多く発生していました。
例えば、チェックアウト時には、明細確認や精算のために事務所とフロントを何度も往復する必要があり、週末にはお客さまをお待たせしてしまうこともありました。
また、リピーターのお客さまなどからの電話予約を大切にしたいという思いがある一方で、スタッフがフロントにいないタイミングが重なり、電話対応が疎かになってしまうことへの課題感も抱えていました。
事業実施を決めたきっかけは何ですか
コロナの影響により、自己資金だけでの設備投資が難しい状況に直面したことから、当館では補助事業を積極的に活用した投資や経営改善を進める意識へと変化しました。そこで、現場の問題意識を洗い出し、それにマッチする補助金があれば教えてほしいとメーカーに伝えていました。
当館では以前から、業務のデジタル化による省人化・効率化や施設の改修を通じてスタッフとお客さまの満足度を高めるという考えが強く、常に社内で課題感を強く感じている部分に対しての改善点をリストアップできている状態でした。それから、お付き合いのあるベンダー(サービス提供者)を中心に情報提供を受け、申請に至りました。
導入したソリューションについて教えて下さい
昨年度の事業では、スタッフ間の迅速な情報共有を可能にするインカムと、お食事の進行状況を把握するための監視カメラという2つのソリューション導入し、これらを活用してスタッフ間の連携を強化しました。
今年度はその取り組みをさらに一歩進め、お客さまのお電話を大切にするため「ビジネス電話システム」を導入しました。
具体的には、電話が集中した際にお客さまをお待たせしてしまうことによる不満や機会損失を解消するため、状況をお伝えする自動音声アナウンス機能を取り入れました。また、カスタマーハラスメント対策や「言った言わない」のトラブルを未然に防ぐ目的で、通話録音機能も備えています。
実際に導入されて、変化はありましたか
ビジネス電話システムの導入により、以前は「電話がつながらない」といったお問い合わせに時間を要する場合がありましたが、現在は適切なアナウンスや振り分けによって、こうした対応のロスが改善されました。
また、昨年度導入したインカムや監視カメラの効果も継続して現れています。インカムにより、お客さまの到着報告のために事務所へ戻るなどの工程が削減され、現場でのリアルタイムな連携が可能になりました。監視カメラについても、お食事の進行状況を客観的に把握できるようになったことで、最適なタイミングでの料理提供が実現しています。
こうした一連の効率化は、スタッフの移動時間や回数を大幅に減らし、結果として体力的負担の軽減や、少人数でも質の高いサービスを維持できるという大きな変化に繋がっています。

電話が重なっても、自動音声が丁寧に対応してくれる。お客さまを待たせない姿勢が、機会損失もしっかり防いでいると感じました。

複雑な構造の館内でも、Wi-Fiインカムで通信がスムーズに。スタッフ同士の共有が速くなったことで、無駄な移動も減ったそうです。

会場のお食事の進み具合が一目でわかるように。ベテランの勘に頼りすぎず、客観的に状況を把握できるようになったのが大きな変化だそうです。
補助金の申請はいかがでしたか
観光庁の補助事業については、申請から報告、入金まで非常にスムーズで、ストレスなく進められたという実感があります。事務局の対応も丁寧で、期限が近づくと電話でやるべき対応を事前に連絡してくださるなど、親身なサポートが助けとなりました。
また、当館が2年連続で採択されたことでノウハウが溜まり、「こういう書類が必要だ」という点が事前に把握できたことも、手続きの迅速化に繋がりました。
今後、より多くの事業者が円滑に補助金を活用するためにも、申請前の個別相談会や、不明点について伴走してもらえるような支援施策がさらに増えることを期待しています。
今回の取り組みは、どのような影響を与えましたか
今回のソリューション導入は、目に見える効率化だけでなく、人材配置の柔軟性を大きく向上させました。
昨年度導入したソリューションと今回のビジネス電話システムを連携させた結果、会計処理や電話対応のために事務所とフロントを往復する必要がなくなり、業務の兼任ができるようになりました。以前は特定の場所にいなければならなかったスタッフが、状況に応じて幅広く動けるようになったのです。
これにより、分業制が一般的なホテルとは異なり、ベルやフロントといった垣根を越えて一人ひとりが幅広い業務をこなすことが可能になりました。限られた人数で効率よく運営できる体制が整ったことは、人材不足の解消にも大きく貢献しています。
最後に、今後のビジョンをお聞かせください
今後も深刻な採用難に対応しつつ質の高いサービスを提供し続けるため、さらなる省人化を進めていく予定です。
窓を拭く清掃ロボットにも興味がありますが、当館のようなオーシャンビューの窓ガラス清掃は大変である一方、段差などの課題もあり、現場のオペレーションに合うか慎重に検討したいと考えています。
人材を確保するためには、表に見える設備だけでなく、バックヤードや住環境の整備がマストであると考えており、2年ほど前から社員寮を順次リノベーションし、若い世代が「ここで働きたい」と思える環境づくりを進めています。エレベーターや高圧電力設備の更新といったバックヤードの環境整備についても、積極的に情報を集め、補助事業とうまくマッチングさせていきたいと考えています。
