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冷凍庫、乾燥機、温度管理システムの導入により、バックヤード業務における効率化が実現
天童温泉 松伯亭 あづま荘
山形県天童市
インタビュー
- 課題
- 清掃スタッフの身体的負担が業務を圧迫。
露天風呂の温度管理も都度、現場に行く状況だった
- 改善
- 清掃や厨房で使うタオル類は乾燥機を使用。
お風呂は、システム導入で確認が1日1回に軽減
- 導入ソリューション
- 冷凍庫、乾燥機、温度管理システム(遠隔監視・遠隔制御システム)
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施設名
天童温泉 松伯亭 あづま荘
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エリア
山形県天童市鎌田2-2-1
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施設概要
1911年創業、客室34部屋
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URL
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旅館が創業されて何年になりますか
あづま荘は明治44年に創業しまして、110年以上も山形のこの地で運営させていただいています。私が継いだ2022年は、コロナウイルスの対策措置における位置づけが変わって落ち着きはじめた頃でした。まだ事業を継いで2年です。
天童(てんどう)温泉の旅館業界は、外部のいろいろな方から「仲がいいね」と言われます。自社の旅館だけでなく、温泉地みんなで頑張らないといけないんだという意識が高いほうだと思いますね。自分は仲間内では年下ですが、同年代も多く話しやすい雰囲気があります。

山形空港からもアクセスの良い天童温泉。広々とした心地よいロビーで、スタッフの方が迎えてくれます。
今回、3つのソリューションを導入されました
調理場に新設した「冷凍庫」と、清掃業務で使う「乾燥機」、そして露天温泉の温度調整を行うための「温度管理システム(遠隔監視・遠隔制御システム)」の3点です。宿の深い課題を解決できるものを選びました。
申請を行うまでの経緯を教えていただけますか
はい、昨年度も、こちらの人材不足対策事業で宿の課題解決となる補助事業を実施し、特にスタッフから感謝の言葉をもらうことができました。館内の細かい箇所に取り入れた設備などがとても良かったので、手応えを感じたところです。今年度も、補助事業があればぜひ申し込みたいと考えていました。
その後、今年の春先に地元の組合からも公募の情報をいただきましたので、社内で課題を洗いだして申請することにしました。

6代目若旦那として宿の舵取りを担う髙橋和也さん。遊び心が詰まった「あづまヌック」という漫画コーナーや、足を伸ばして寛げるラウンジスペースを新設するなど、100年来の伝統ある宿に新しい風を吹き込んでいます。
社内ではどのように進行されましたか
計画を立てる前に、まず社内のいろんな部署に聞き取りを行いました。日々人材が少ない中で業務を行ってもらっている現状がありますから、「困っているところはないか」とか、「こういったモノがあればもっと働きやすくなるという業務はないか」などですね。
スタッフの意見が直接聞けたことで、宿として改善を優先すべき課題が3つ見つかりました。
それぞれの課題と、成果を教えてください
まず厨房からは、人手不足による忙しさが挙がりました。
調理場は、新しい人材を確保するのがもともと難しい現場です。調理師の募集をしてもすぐには集まりませんし、若手スタッフの確保は限られています。特に、朝6時前後の人材確保は厳しいです。忙しい日になると、「早朝から夜まで3~4人体制で勤務をしないと、準備が間に合わない」といった話がありました。
そこで現場からあがったのが、「できれば、冷凍庫をあと1台ほしい」という要望です。新設すれば、取り寄せた食材や出来あがった惣菜や購入したものをストックできるので、生産性が上がるということでした。
私としても調理の簡略化を含めて厨房全体を見直したいと思っていましたし、インバウンドのお客さまの受け入れや、連泊のお客さまに対するお食事の提供、または、当日飛び込みでご予約される方に対しても柔軟な対応体制に繋がると思いまして、冷凍庫の導入を決めました。
今は調理補助を含めて2~3人で準備できるようになりましたので、1~2人分の省人化につながっています。

既存の冷凍庫の横にもう1台を設置。もともと食器棚を置いていた場所を整理したことで、ぴったり収められたそうです。
冷凍庫を検討する際、懸念点などはありましたか
実は今まで、食材を冷凍することの行為や冷凍食材に対するマイナスな思い込みがありまして、検討の視野に入っていませんでした。でも、大切なのは「使い方」なんですね。最適な保存の仕方はもちろん、食材の状態や冷凍アイテムをしっかり見極めることで、お客さまに提供するサービスの質は落とさずに、作業能率をあげることができています。

宿泊のお楽しみの1つである朝ごはん。山形の食材を生かしたものが並び、栄養もたっぷり。
乾燥機については、どんな問題を抱えていましたか
ご宿泊いただくお客さまが使われるシーツなどのリネンや浴衣に関しては、以前も今も、専門のクリーニング業者さんに依頼しています。
意外と手間がかかっていたのが、客室やお風呂の清掃または調理などで使うタオルやマット類です。小さな手ぬぐいや浴衣の帯紐なども自社で洗って干し、丁寧にアイロンをかけるという流れがあります。これらの作業は一見見落としがちですが、小さなものでも集まると量が多くなります。
なかでも洗濯モノを「干す作業」が、労働時間を圧迫する原因となっていました。天候にも左右されますから一気に干さないといけませんし、冬場は水も非常に冷たいですよね。スタッフも毎日大変ですし、忙しくなる時期はさらに量が増え「休憩に行きづらい」という声がありました。それを聞いて、これは改善しなければならないと思いました。

バックヤードに設えた乾燥機は、機能性の高さを誇るメーカーのもの。階段下のデッドスペースに収まりました。
乾燥機を導入されて、その後はいかがですか
とても効果がありました。毎日30分から1時間程度の干し作業は、乾燥機を用いたことによって限りなくゼロに近い状態です。
清掃担当者からは「負担がなくなりました」と明るい感想をもらいましたし、今までの時間を違う業務に使うことができましたので、省人化と効率化が同時に叶った感覚です。宿にはさまざまな課題があがっていた中で「これは是非やろう」と決めて今回実施し、本当に良かったです。

3つめのソリューションについても教えてください
はい、露天風呂の温度管理システム(遠隔監視・遠隔制御システム)も新しく導入して、いま運用中です。
露天風呂の温度管理というのは、とても難しくて。外にあることから季節や天候に左右されて温度の上がり下がりが激しいのです。今までは朝・昼・夕・帰り際の合計4回は必ず直接測りに行っていました。常にちょうど良いお湯加減に調整するために、時間を見て確認に行っていましたが、お客さまがお風呂をご利用されている時間はもちろん測れません。
行って測って、また行って…、というように、ずっと人の労力で管理を続けていましたが、効率化していきたいという気持ちが以前からありました。どうしてそんなに都度、調整をしたいかといいますと、温泉の温度はお客さまの満足度に直結するデリケートなサービスだからです。



0.5度単位の細かな調整も可能。「このようにインタビューされながら、露天風呂の温度をサッと確認できます(笑)」と笑顔で語ってくれました。
温度管理システムを導入されていかがですか
毎日の管理がかなり楽になりました。
スマートフォンで管理画面にログインすると、露天風呂の温度がすぐに確認できますから、もう直接見に行かなくて良いんですよ。休館日の翌日や、換水清掃のあとは特に何回も確認が必要ですから、行かずに確認できるというのは本当に助かります。
団体さんが入られたあとは少し温度が下がりますから、アプリで確認して上げたり熱くなりすぎないよう少し下げたりなど、自分のデスクから操作出来ます。私だけでなく担当者とも業務シェアできるという点も魅力ですね。
導入効果は、どれくらいでしょうか
1日に最低でも4回かけていた作業が、1日1回になりました。1日30分程度、担当者の負担軽減に繋がっています。また、管理が「見える化」できたので、もし不具合があればすぐに気がつけるようになりましたし、担当者とフロントの連絡体制も今回整えることができました。
導入してから、お風呂に対してのお客さま満足度が安定したように思います。この地域は11月末から雪が降りはじめ、気温もぐっと下がりますから温度管理システムの本領発揮は今からです(笑)。

最後に、事業を通して全体いかがでしたか
まだまだ旅館業界は、アナログな部分が多く残っていると思います。実際に現場に行って確認したり、身体を使っての作業が多い職種ですから、少しでもDX化(デジタルトランスフォーメーション)にもっていけたら、働く人の負担も少なくなるのかなと思います。
もちろん、アナログのままが良い部分が旅館にたくさんあります。先代の意志を受け継ぎながら、いいものはどんどん取り入れて、お客さまに喜んでもらえる宿にしていきたいと思います。

お忙しい中、インタビューのご対応をありがとうございました
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