予約・デスク業務

日田天領の寛ぎ宿。新しいホテル管理システムの導入で、部署間の連携がスムーズに

小京都の湯 みくまホテル

大分県日田市

課題
フロントや厨房など各部門で手書き作業が多く、
作業効率が低下。部門間の連携が取りづらかった
改善
新しいPMS(ホテル管理システム)を各部署で共有​
情報の連携スピードが飛躍的に向上
導入ソリューション
PMS(ホテル管理システム)
  • 施設名

    小京都の湯 みくまホテル

  • エリア

    大分県日田市隈1丁目3-19

  • 施設概要

    創業75年、客室:43室

  • URL

  • 資料ダウンロード

川のせせらぎを望む露天風呂付き温泉や、心安らぐ客室、レストランを備えた「みくまホテル」。最初に出迎えてくれるのがこのエントランスです。

本事業をどのようにして知りましたか

今期は、お客さまにより快適に過ごしていただけるよう、館内の改装などさまざまな取り組みにチャレンジしている中で、本事業のことを知りました。

普段から、自分でアンテナを張ってインターネットで情報収集をしています。過去には、地元・大分県日田市の「森林環境譲与税を財源とした事業」にも申請したことがあります。日田市は林業が盛んな地域ですので、自然資源を活かした補助事業が公示されることもあります。

地域の魅力について教えてください

日田は、かつて天領として栄えた歴史ある街で、温泉や街歩きなど観光の魅力が詰まっています。大分県の中でも福岡県に近い場所に位置してますので、アクセスの良さも特徴です。私自身、旅行業に携わっていた経験がありますが、福岡方面からのお客さまにとっても訪れやすい立地だと感じています。

また、数年前には人気漫画「進撃の巨人」の作者・諫山創(はじめ)先生が日田市出身ということで、記念ミュージアムが開設されて大きな話題となりました。ちなみに私も同じ「諫山」姓ですが、この地域では珍しくない名字なんですよ。

 

若旦那の諫山泰崇さん。現社長であるお父様の想いを大切にしながら、時代に合わせた館内改修にも力を注いでいます。新たな挑戦にも積極的に取り組む姿勢が、施設の魅力をさらに高めています。

人手不足に関する課題はありますか

はい、やはり長期的な人手不足が続いています。当館だけではなく、宿泊業界全体の課題だと感じています。宿泊業はお客さまのお世話を中心とした業務が多く、皿洗いや客室の清掃など、体を動かす作業も少なくありません。社会の在り方が変わる中で、スタッフの確保という面では、事業者側の工夫もますます求められています。

また、日田市は大学や専門学校が多くはない地域なので、若い世代で働き手として時間に余裕がある方は限られている印象です。団塊の世代の方々はすこしずつ高齢化していますが、今も元気に働いていただいていて本当に心強い存在です。海外出身のスタッフも含めて多様な人材とともに柔軟な働き方を模索しつつ、業務の効率化や改善にも力を入れていきたいと考えています。

本事業に申請を決めた理由は何ですか

当館では、少ない人数でフロント業務をこなしている状況が続いていて、特にアナログな作業に課題を感じていました。

たとえば、予約を受けた際にはその内容を紙に書き写す必要があり、人数やアレルギーの有無など、多くの情報を一つひとつ記録していきます。客室は全43室あり、すべて手書きで対応していると、それだけで1時間半以上かかってしまうこともありました。

らに、厨房とも連携が必要で、ご予約内容をもとにホワイトボードへ直接記入するなど調理現場にも負担がかかっていました。

「いつかは、この一連の流れを何とかしなければ」と、ずっと考えていました。特に観光シーズンに入ると業務がさらに立て込むため、「今こそシステムを変えよう」という気持ちが強くなったのです。そうした背景があって今回の申請に至りました。

 

ホテルの目の前を流れる三隈川(みくまがわ)は、九州最大級の河川・筑後川の上流にあたります。江戸時代には木材の集積・運搬の拠点として賑わい、現在もその風情を残しながら、「水の都・日田」として豊かな水の恵みを湛えています。

導入前、スタッフさんの反応はいかがでしたか

アナログで進めていた日々の業務に対して、「苦痛」とまではいかなくても、大変さは感じている様子でした。

「こういう事ができたらいいよね」や「この流れがもっとスムーズになると助かる」といった声を直接聞きながら、現場の課題を共有して話を進めました。システム導入は実際に使ってみないと分からない部分も多いので、導入前は細かい仕様の話というよりイメージをすり合わせるような形でした。

画面の見ためや使い方が変わると、最初は戸惑いもありますよね。新しいスマートフォンに替えたときの感覚に少し似ているかもしれません(笑)。でも慣れてくると、これまで手書きで行っていた業務の時間が短縮されて、残業が減ったり、お休みが取りやすくなったりするかもしれない。お客さまの前に立つ時間が増えるかもしれないという視点もスタッフたちが理解してくれて「助かりそうですね」と前向きな反応をもらえました。

必要となるシステムは、どのように選びましたか

今回導入したクラウド型のPMS(ホテル管理システム)は、以前からお付き合いのある会社さんから新作の情報をいただいたことがきっかけでした。

もともと弊社では、長年使ってきた管理ツールがありましたが、やや古く、アナログ要素の多いものでした。部署間での情報連携が難しく、画面の表示も今のように見やすく洗練されたものではなかったと思います。

そうした中で、既存ツールが刷新され、新たな名称でリニューアルされるという話を聞き、「それなら一度、試してみたい」という流れになりました。これまで当館で蓄積してきた顧客データをスムーズに新システムへ引き継げるという点も、導入を決めるうえで大きなポイントになりました。

 

壁掛けタイプの大型モニターを厨房に設置したことで、遠くからでも表示が見やすくなり、スタッフさんにも好評だそうです。

導入後、どのくらい効果を感じていますか

まだ使い始めたばかりの段階ではありますが、フロント業務においては、すでに1日あたり約2時間の業務時間が削減できている実感があります。今も試行錯誤を重ねながら、活用の幅を広げているところです。

厨房でも、さっそく活用が進んでいて、つい先日まで使用していたホワイトボードの運用に一区切りをつけて、壁に大型モニターを新たに設置しました。システムで表示される画面はレイアウトがすっきりと整理されており、文字の大きさや書体にも統一感がありますね。スタッフにとっても非常に見やすく、情報がスムーズに伝わるようになっています。

今後、解決に取り組みたい課題はありますか

今後は、ハード面の改修に取り組んでいきたいと考えています。建物は築50年ほど経ってくると、どうしても経年劣化による課題が出てきますね。お客さまに、より快適にお過ごしいただけるよう館内のメンテナンスについても計画的に進めていきたいです。

今回、新しいPMS(ホテル管理システム)を導入したことで、これまで「いつか、やらなければ」と数年単位で考え続けていた課題に、ようやく一歩踏み出すことができました。

明確な効果はこれからさらに実感していくと思いますが、今後に向けた展望を持てたこと、そして宿としての大きなタスクを無事に実行できたのは嬉しいです。協力会社の皆さまやスタッフの理解と支えがあってこそだと感じています。

宿のすぐ前を流れるのは、三隈川(みくまがわ)です。川沿いにある1階のカフェスペースやデッキでは、心地よい風を感じながらビールを楽しむこともできます。そんなひと時が、心を落ち着かせてくれる豊かな時間になるのではないでしょうか。

三隈川はこの街のシンボルのような存在で、私たち地元の人間にとっても大切な場所。これからも、この自然とともにある宿の姿を守り続けていきたいと思います。

お忙しい中、インタビューのご対応をありがとうございました

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